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哀悼 [書道]

四月三日、今日は、お通夜に行ってきました。

書道会の元メンバーSさんが亡くなりました。

一年前、前道場主が亡くなって、稽古場を新しい場所に移し、昨年8月に稽古を再開。

しかし、Sさんは秋頃、体調のこともあり退会されました。

長年、抗がん剤治療をしながら、癌と戦っておられました。

でも、

Sさんの弱音、愚痴を、私達は一度たりとも聞いたことがありません。

治療の度に抜け落ちた髪の毛をかくす為に、時々ウイッグを使用していましたが、

それがとてもおしゃれで素敵でした。

治療の後遺症なのか、転移だったのか?、近年腕がパンパンに腫れて、

包帯をグルグル巻いて、稽古していたけれど、

あまり聞くと悪いかな・・・と、私はわざと普通に接していました。

自分が癌だということで、もう覚悟はしていたように思います。

だから実際、見ていて、不思議とそんなに辛くなかったんだよね・・・。

旦那様も今日初めてお目にかかったけど、

とてもおだやかでやさしい旦那様だったので、

Sさんは、気持ちよく旅立たれたんだなと確信しました。 

Sさんの書く字にも、いつもその心情は表れていました。

線は細めだけれど、とても芯があるような、かっこいい字で、私は密かに憧れていました。

お通夜の会場に着いたら、もう読経が始まっており、

席がいっぱいで、お焼香が始まるまでロビーで待たされました。

やっと中に入れて、前に進むと、

祭壇横には、Sさんの書いた「疾風知勁草」の掛け軸。

その横には、一年前に亡くなった書道会道場主が書いた「無憂」の額。

元気なSさんしか見たことがないので、

正直言って、亡くなったという事が、あまりピンときていない私でしたが、

初めて胸がいっぱいになりました。

そして!

読経していたのは、昔、平林寺で書道をやっていた時にお世話になった和尚!!!

読経が終わると、焼香の間、篠笛を吹いていましたので、

お顔は見れず、もちろんご挨拶もできなかったけど、

久しぶりに聴いた笛の音で、胸がいっぱいになりました。

平林寺から加須のお寺へ移られてから、一度遊びに行ったきり、

お会いすることもなく15年?16年? また遊びに行こうかな・・・・

Sさんは、書道の他にも座禅の方もやっていたと思うので、、

和尚に頼んでいたのかな?詳しくはわからないけど、

Sさんらしい素敵な演出だなって思いました。

強い風の中でも折れずにいたSさんの生き方。

あぁ、こういう生き方もあるんだな、

自分はこれからどう生きようかな・・・と、

しみじみ考えながらの帰り道でした。

DSC_0924.JPG


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コメント 12

yoko-minato

ご友人のご冥福を心より祈っています。
誰でも病気にはなりたくないと思っていても
病気は向こうからやってくることも・・・
sさんの生き方に色々教えられました。
by yoko-minato (2015-04-04 07:21) 

song4u

私の大切なブレインの奥さまが昨日、亡くなりました。
まだ49歳。あまりにも若すぎて言葉もありません。
まる二年の闘病生活だったので、ある程度の心の整理は
出来たのかも知れないとは思うものの、いたたまれなさに
変わりはありません。
桜を散らす春の雨、涙雨になりました。
by song4u (2015-04-04 08:19) 

yakko

お早うございます。
ご友人のご冥福をこころからお祈り致します(_ _)
by yakko (2015-04-04 09:02) 

caveruna

yoko-minato様
いつ病気になるかなんてわからないけど…
強く生きてみたいです。
by caveruna (2015-04-04 12:40) 

caveruna

song4u様
ここ数年、桜の季節に亡くなる知人、友人が
多い気がします。
これからも毎年、思い出すことでしょう…
by caveruna (2015-04-04 12:43) 

caveruna

yakko様
書道でのお付き合いしかなかったけど、
記憶の中でずっと生き続ける人になりました。
by caveruna (2015-04-04 12:48) 

ojioji

caverunaさまにこうして偲んでいただけるSさまはお幸せです。
この記事を通じて、良いものを伝えていただけました、
ありがとうございます。
by ojioji (2015-04-04 22:45) 

caveruna

ojioji様
書道のメンバーは、年配の先輩方がほとんどなので、
こうして仲間が減っていくことは寂しいことですが、
いろんな事を教えてくれますね・・・
by caveruna (2015-04-04 23:26) 

式守錦太夫

強い風でも折れなかった人。
その方の文字とお通夜の演出が胸に染み入ります。
篠笛を吹くご導師さま、人の縁ですね。
桜の時期、私も5年前、近しい飲み仲間の永久の別れを経験しました。
雨の降る夜桜は、なんだかとても切ないです。
by 式守錦太夫 (2015-04-07 20:21) 

caveruna

式守錦太夫様
そういう事を思い出させてくれる
桜って、やっばりすごい存在感
だとしみじみ思います。
by caveruna (2015-04-07 22:19) 

あゆさこ

今日市内の、同業者の先生が他界したようです。
54歳でした・・・。それも、女性。
by あゆさこ (2015-04-14 21:26) 

caveruna

あゆさこ様
いつどうなるのかなんて、
わからないものですね…
日々精一杯生きましょう。
by caveruna (2015-04-14 22:00) 

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